歯と歯周組織の構造を知ろう

犬の歯のトラブルといえば、まず何を思い浮かべるでしょう。動物病院では、よく「うちの子、虫歯がありますか?」と尋ねられます。人の歯のトラブルといえばまず虫歯ですが、実は犬の虫歯は非常に珍しいのです。ではなぜ、犬は虫歯になりにくいのか。そこには人と犬の「口内の環境の違い」があるのです。

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歯の構造を知ろう!

歯は大きく分けると、エナメル質・象牙質(ぞうげしつ)・歯髄(しずい)という3つから成り立っています。

エナメル質
歯の見えている部分(歯冠(しかん))の表面を覆っている部分。知覚はありません。骨よりも硬い組織ですが、一度欠けてしまうと再生・修復はできません。
象牙質
エナメル質の下にあって歯髄を厚く覆っている部分です。象牙質の断面は目に見えない非常に細い穴が 空いているため、エナメル質が欠損すると、そこから細菌などが入り込んでしまいます。また、歯髄との境目には神経も入り込んでいるため、熱いものや冷たいものを食べると知覚過敏になることもあります。
歯髄
歯の中心にある空洞(歯髄腔)を満たすもので、神経や血管、リンパ管などが入り込んでいる生きた組織です。歯が折れて歯髄が露出すると、出血し痛みが出るのはこのためです。
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歯周組織の構造を知ろう!

歯周組織とは歯の周りにある組織で、セメント質・歯根膜(しこんまく)・歯槽骨(しそうこつ)・歯肉(しにく)の4つからなります。歯を支えている大切な存在です。

セメント質
歯の見えない部分(歯根)の表面を覆う骨とよく似た組織。
歯根膜
セメント質と歯槽骨の間にあって歯と骨をつなぐもの。「歯周靭帯(ししゅうじんたい)」とも呼ばれ、非常に強い線維からなります。硬いものを噛んだときの衝撃を吸収するクッションの役割をします。
歯槽骨
歯を支える骨のこと。"歯槽骨"という特別な骨があるのではなく、上顎と下顎の骨で歯を支えている部分を指します。
歯肉
いわゆる歯茎のこと。角化上皮細胞(かくかじょうひさいぼう)という非常に丈夫な組織でできており、硬いものがあたっても簡単には傷つきません。歯と歯肉の境目には数ミリの溝(歯肉溝(しにくこう))があります。ここに歯垢がたまると炎症を起こし、徐々に他の歯周組織にも進んでいきます。これが歯周病です。

監修 藤田桂一先生

フジタ動物病院院長。獣医師・獣医学博士。1985年、日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)大学院獣医学研究科修士課程修了。動物病院勤務を経て、1988年、埼玉県上尾市で開院。2000年、日本大学大学院獣医学研究科にて獣医学博士号を取得。日本小動物歯科研究会理事をはじめ、多くの学会、研究会の委員や評議員として活躍。

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高倉はるか先生の 「犬の歯みがき成功への道」

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実は歯と歯の周りの組織の基本的な構造は、人も犬も同じなのです。犬の歯みがきだからといって特別むずかしいことはありません。こちらで紹介する「歯の構造」「歯周組織の構造」などを参考に、犬の歯みがきにチャレンジしましょう。