犬の歯みがきステップ1・2・3 監修:フジタ動物病院 院長 藤田桂一先生

愛犬のために無理をしない歯みがき法が大切!

家庭での歯みがきに勝るケアはありません。でも、歯みがきをしてこなかった犬の場合は、急に始めたり無理に行ったりすれば嫌がるだけです。悪くすれば愛犬との大切な信頼関係にひびが入ることも。そんなことにならないように、ここでは無理せず徐々にステップアップする歯みがき法を紹介します。まずはブラシなしの練習から始めて、「指で触る→ガーゼでこする→ブラッシング」という3段階で進めます。大切なのは飼い主自身が焦らず、段階を追って根気よく行うことです。さあ、今日から愛犬のペースで歯みがきを始めましょう。

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  • 歯みがきステップ
  • 歯みがきのポイント
  • 子犬とシニア犬の歯みがき

子犬の歯みがき

子犬の歯みがきで注意するポイントは乳歯が永久歯に生え変わる時期。乳歯が抜ける際には歯肉の炎症が起きて痛みが生じます。痛い所をこすると歯みがき嫌いになることも。ぐらつく歯や歯肉が赤くなっている部分はみがかないよう注意してください。小型犬では大人になっても乳歯が残ってしまうことも多く見られます(乳歯遺残—下の項目参照)。また、反対に歯の本数が通常より少ない場合(欠歯や埋伏歯)もあります。こうした歯列の問題は、後々トラブルにつながりますから、7ヶ月頃になったら歯の本数や歯並びに異常がないかチェックすることが大切です。そのためには、歯の生えてくる順番(下図参照)を覚えておくといいでしょう。

約7カ月で生え変わる時期に要注意!

犬の乳歯は生後3週齢頃から生え始め、2カ月齢頃までに生え揃います。この頃から歯みがきを始めると効果的。その後、4〜5カ月齢頃から永久歯への抜け替わりが始まり、7カ月齢で永久歯だけになるのが普通です。乳歯から永久歯へ、きちんと生え変わっているかをチェックして!

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永久歯への生え変わり
乳歯の横から永久歯が生え始めます。永久歯の高さが、乳歯と同じくらいになっても抜けない場合、乳歯遺残の可能性が。
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歯が生える順番(乳歯も永久歯も共通!)
※切歯:前の方の歯、臼歯:奥の方の歯

約7カ月で生え変わる時期に要注意!

犬の乳歯は生後3週齢頃から生え始め、2カ月齢頃までに生え揃います。この頃から歯みがきを始めると効果的。その後、4〜5カ月齢頃から永久歯への抜け替わりが始まり、7カ月齢で永久歯だけになるのが普通です。乳歯から永久歯へ、きちんと生え変わっているかをチェックして!

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乳歯遺残(にゅうしいざん)・・・乳歯が抜けずに残ってしまう
通常は、生後7カ月齢頃までに乳歯が抜けて永久歯に生え変わりますが、この時期を過ぎても乳歯が抜けないことを乳歯遺残と言います。乳歯遺残は「不正咬合(ふせいこうごう)」などさまざまなトラブルの原因にもなるため、多くの場合は動物病院で抜歯する必要があります。
※白矢印が乳歯。黒矢印の犬歯が歯肉に当たっている。
(写真提供 藤田桂一先生)

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エナメル質形成不全・・・知覚過敏などの原因に
歯の表面を覆う硬い組織・エナメル質の一部が形成されないこと。生後1〜4カ月齢の頃に、ジステンパーなど重度の熱性疾患などにかかると発症します。歯が折れやすく、また象牙質が露出して知覚過敏を起こすこともあるため、動物病院で治療が必要です。
(写真提供 藤田桂一先生)

シニア犬の歯みがき

高齢になってから歯みがきを始める場合、まずは動物病院で検査の上、適切な治療を受けましょう。適切な治療を行って口内が健康な状態になったら、家庭で歯垢・歯石がつかないようにお手入れを行ってください。今まで歯みがきをしていなかった場合、慣らすのに時間がかかると思いますが、少しずつでも続けていくことが大切。歯垢を落とすにはブラッシングが最適ですが、濡らしたガーゼを指に巻いて歯を擦るだけでも一定の効果はあります。「歯ブラシは最終目標」と考えて、歯みがき専用ガムなども併用しつつ、気負わず続けていきましょう。

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監修 藤田桂一先生

フジタ動物病院院長。獣医師・獣医学博士。1985年、日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)大学院獣医学研究科修士課程修了。動物病院勤務を経て、1988年、埼玉県上尾市で開院。2000年、日本大学大学院獣医学研究科にて獣医学博士号を取得。日本小動物歯科研究会理事をはじめ、多くの学会、研究会の委員や評議員として活躍。

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